補聴器について

補聴器の仕組みと構造

補聴器は、アナログで音を処理していた時代に比べるとずっと使いやすく、音もより自然に聞こえるようになりました。
その仕組みをご紹介します。仕組みを理解し、自身にあった補聴器を選びましょう。

補聴器の仕組み

補聴器はまず、音の入口の近くにあるマイクロホンで音を集め、全ての音声信号をデジタル化し、アンプで音を大きく増幅させ、その音をレシーバー
(小さなスピーカー)から出して耳に届けます。しかし単純に音を大きくするだけでは、聞く必要のないまわりの騒音や雑音も大きくしてしまいます。
そこで、補聴器の心臓部(アンプ)に組み込まれた超小型コンピュータ(マイクロチップ)が、デジタル化した音声信号を猛烈なスピードで
演算・解析して、各音域の音の種類と音量を判別します。そして、聞きたい語音(ことば)と騒音・雑音を分析し、適切に処理することにより、
話し相手の声を聞き取りやすくしているのです。

耳あな型(CICタイプ)の構造

耳あな型(CICタイプ)構造

耳かけ型(RIC/RITE)の構造

耳かけ型(RIC/RITE)の構造

1 レシーバー

超小型スピーカーを内蔵。実際のレシーバーはケースに覆われています。



2 マイクロホン

超小型マイクを内蔵。
機種によっては複数のマイクが搭載され、音を拾う範囲を自動調整します。



3 音の出口

耳あかの侵入を防ぐワックスガードが装着されています。



4 フェイスプレート

5 音の入口
6 ベント

耳の開放感を確保するための空気穴。



7 アンプ

デジタル補聴器の心臓部。
ここには、信号処理能力の高いマイクロチップが搭載され、補聴器に 入ってきた音を使う人の聞き取りやすい音に変える作業をしています。



8 バッテリー

補聴器に使われるのは空気電池。機種に応じてサイズが異なります。



9 イヤワイヤ

本体と耳栓をつなぐワイヤ。
補聴器をつけていてもほとんど目立ちません。

10 マイクカバー

風が補聴器にあたるときに起こる「風切り音」を軽減するよう独自の 形状に設計されています。また、表面の特殊なコーティングにより、 汗や湿気が補聴器の中に入るのを防ぎます。

補聴器の種類と特徴

補聴器には形や機能によっていろいろなタイプがあります。それぞれのタイプの特徴を知り、自分にピッタリの補聴器を見つけましょう。

いろいろなタイプがある補聴器

難聴者が補聴器を使う目的は、主に言葉を聞き取ることにあります。
「家族や友人との会話」、「仕事でのコミュニケーション」、「テレビや映画などを楽しむ」など
生活のさまざまな場面における言葉の聞き取りを改善するために補聴器は働きます。

補聴器とひとことで言ってもいろいろな種類があります。

見た目の形も違えば価格によっても、搭載されている機能によっても違いがあります。
また、信号処理の方法によって、アナログ補聴器とデジタル補聴器に大きく分けることもできます。
補聴器にはいろいろな種類、タイプがありますが、それぞれの特長をよく理解して、自分の聴力や聞こえの状態、
形状や付け心地の好み、予算等に合わせて、最適な補聴器を選びましょう。

耳あな型(CICタイプ)
耳型タイプ1

耳の穴にすっぽり納まるタイプの耳あな型補聴器です。
CICとはCompletely In the Canal(外耳道に完全に入る)の略です。
補聴器の中ではサイズが一番小さく、外から見て補聴器をつけていることが気付かれにくいという特長があります。
使用する人の耳穴の形状に合わせてシェル(外形部)をオーダーメイドで作成します。

主な特徴

サイズが小さいので外から見えにくい / 耳の穴の中に入るので、帽子やヘルメットを使用する際に邪魔にならない / 耳の穴の中に入るので、風きり音が少ない / 耳の穴の中に入っているので、電話を使用する際に気になりにくい / 音質が自然

耳あな型(カナルタイプ)
耳型タイプ1

耳の穴に納まるタイプの耳あな型補聴器です。
CICタイプほど小さくはありませんが、つけていることがあまり目立ちません。
ボリュームコントロールを付けることも可能で、パワータイプも選ぶことができるなど、
CICに比べて適応できる聴力範囲が広いのも特長です。
使用する人の耳穴の形状に合わせてシェル(外形部)をオーダーメイドで作成します。

主な特徴

ボリュームコントロールをつけることができる / CICよりサイズが大きいので、電池交換や操作が簡単 /
指向性の機種を選択できる

耳かけ型 スーパーパワー
耳型タイプ1

耳の後ろに掛けて使用するタイプの補聴器。パワータイプやハイパワータイプを選ぶこともできるなど、
対象の聴力適応範囲が広い補聴器です。電池交換等の操作が簡単で扱いやすく、
ボリュームコントロールやテレコイル等の機能が搭載されています。ケースのカラーバリエーションも豊富です。
また、他のタイプに比べて、電池寿命が長いというのも大きな特長です。
軽度~高度難聴(ハイパワータイプは重度難聴)に対応しています。

主な特徴

広範囲の聴力に適応できる / 操作が簡単で扱いやすく、電池寿命が長い / ボリュームやテレコイル等の機能が搭載されている / オープンフィットタイプなどさまざま装用方法を選べる / ケースのカラーバリエーションが豊富である

耳かけ型 プラスパワー
耳型タイプ1

従来の耳かけ型よりも小さく軽量で、目立ちにくく、補聴器をつけている違和感も少ないのが特長です。
ケースのカラーバリエーションも豊富で好みに合わせてケースカラーを選ぶ楽しみもあります。
また、閉塞感の少ないオープンフィットタイプなどさまざまな装用方法を選択できるのも大きな特長です。

主な特徴

サイズが小さく目立ちにくく軽量で、装用時の違和感が少ない電池交換等操作が簡単
/ オープンフィットタイプなどさまざま装用方法を選べる / ケースのカラーバリエーションが豊富である

耳かけ型(RIC/RITEタイプ)
耳型タイプ1

レシーバー(音が出る部分)が耳の穴の中に入る、最新のタイプのもっとも小さく軽い耳かけ型。
RICとはReciever In Canal(外耳道の中のレシーバー)の略です。
耳の後ろに隠れてしまう位の大きさと細いチューブのおかげで、 髪型によってはつけていることがほとんど目立ちません。
小さく軽いだけでなく、デザインやカラーの面でもおしゃれでカラフルなものが多いのも特長です。
また、閉塞感の少ないオープンフィットタイプなどさまざまな装用方法を選択できるのも大きな特長です。

主な特徴

サイズが小さくつけていても目立たない / 小型軽量で、装用時の違和感がほとんどない / デザインやカラーがおしゃれ / オープンフィットタイプなどさまざま装用方法を選べる / マイクとレシーバーが離れているので、ハウリングが少ない

ポケット型
耳型タイプ1

本体をポケットに入れ、イヤホンとコードをつないで使用します。
本体のサイズが大きいので、操作が比較的簡単で扱いやすく、強力な増幅装置を組み込むことができることで高出力を得ることができます。
構造上、マイクロホンとレシーバーが離れているので、ハウリングがおこりにくいという特長もあります。
また、比較的お求めやすい価格の製品が多いのも特長です。軽度~重度難聴に対応しています。

主な特徴

操作が簡単で、取り扱いしやすい / マイクとレシーバーが離れているので、ハウリングが少ない / 幅広い聴力範囲に適応する ことができる / 比較的廉価な製品が多い

補聴器の両耳装用

聴力が左右の耳で同程度に低下している場合、両耳に補聴器を使用することで、より快適に聞くことができます。
当店では補聴器の両耳装用をご推奨いたします。

音は二つの耳からバランスよく 例えば、目を片方だけ閉じてみると、距離感覚がつかみにくくなったり、片方の目だけに負担がかかってしまい、
疲れやすくなります。耳にも同じことが言えます。耳は左右から入る音の微妙な時間差や大きさの違いから、
音のする方向や距離感覚をつかんでいます。
左右の耳から入る音の情報は、左耳からは主に右脳に、右耳からは主に左脳に伝達されます。
そして左右の脳が協力することで音の聞き取りに対する優れた能力を発揮することができます。
脳の働きを引き出すためにも、両方の耳でバランスよく聞くことが大切なのです。

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両耳装用にはメリットがたくさん! 両方の耳に補聴器をつけることによって、さまざまな場面で音がより自然に聞こえ、
言葉もはっきりと聞き取ることができます。

① 騒音の多い場所で言葉の聞き取りを改善します。
② 音のする方向がつかみやすくなります。
③ 音量を小さめで設定でき、耳への負担やストレスを軽減できます。
④ ハウリング(ピーピー音)の発生を少なくします。
⑤ CICタイプなど小さなサイズの補聴器が聴力の問題で使えない場合でも、両耳に装用
  することで聴力を補い合うことができるので、使えるようになる場合があります。
⑥ 音の広がりや奥行きが増し、立体感のある豊かな聞こえを楽しむことができます。

※効果には個人差がございます。

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